人外の奇妙な日記

毎回書いてる人が異なります。

テーマ:検索結果

検索スキル、使ってますか?

 

私がまだ幼少の頃、「検索技術」「検索スキル」という言葉をたまに耳にしました。

ほとんどインターネットネイティブである私は、

「検索するのに何の技術やスキルがあるというのだろう」

と感じていました。

 

おそらくですが、まだ現在ほどインターネットが当たり前でなかった当時には、

 

パソコンを使って、調べごとができる。

 

ということでさえ、地域や年齢によっては、ひとつの能力ともいえる。

といった風潮だったのかと存じます。

 

より正確には、

一連の基本動作(マウスやキーボードを扱い、ブラウザなどのソフトを使用できる)といったものに加えて、

「どのようなワードを打ち込むべきか」

を私の周りの大人は、技術であると話していました。

 

例えば、

東京スカイツリーっていつ完成予定なの?」

という疑問を受けて、

東京スカイツリー 完成予定」

のように検索エンジンに打ち込んで、

「2011年末みたいだよ」

などと即答しようものなら、

「インターネット使いこなせてすごい!!」

みたいなノリです。

 

今のブラウザなら「東京スカイツリー いつ」などのように、

多少雑に打ち込んでも、検索エンジン側が検索の意図を汲み取って、

一問一答のようにわかりやすく表示してくれたりもしますが、

当時はインターネット=ブラックボックスという認識を持つ人も多く、

上記のようなことでさえ、SFの登場人物のようだと感じる人もいたようです。

 

 

もちろん、インターネットが当たり前の時代においては、

ここでいう「検索スキル」は、スキルでもなんでもないように思われます。

 

しかし私は最近「検索スキル」をよく用います。

私のいう検索スキルとは、

「検索結果をカスタマイズするスキル」

のことです。

 

あまり細かく説明せずとも実感していただけると思いますが……

SEO対策やらなんやら、アフィリエイトだなんだと、

お金のための検索結果が表示されるようになってきていますよね。

 

よくいわれる例だと、

「漫画」

と打ち込んで、画像の検索結果のところに、

ONE PIECE』だとか『北斗の拳』だとか、

「漫画といえばこれ」という作品の画像がひとつもヒットしない。

 

 

こうした「汚染された」とでも言うべき検索結果の中から、

自分が本当に必要としている結果だけを抽出する技術。

それは昔よりもより高度に、より重要になってきていると思います。

 

東浩紀氏は著書『弱いつながり』において、

違う国に赴いて検索をかけてみると、

全く新しい検索結果が得られることをまとめていますが、

そこまでせずとも、最適化に影響されずに検索する方法はあります。

 

私がよく用いているのは、

「完全一致検索(” ”で囲む)」と「マイナス検索(-)」です。

特に完全一致検索を駆使していて、

時には、

「私が見たいと思っているブログやサイトがあるとすれば、

こうした文言が記述されているだろう」

という想定のもと、その文節を"    "の中に入れて検索したりします。

 

そうすると、00年代に書かれたブログなんかがヒットしたりするんです。

自分の考えや悩みについての記述も、あるいは見つけ出すことができます。

そうして出会えた記事は、運命の人にでもめぐり逢ったかのように嬉しくなります。

ただ、該当する検索結果が2件や3件ほどしかないことも多く、

インターネット広しといえども、個人的にはまだまだ記述が足りないと思っています。

 

ほんとうに些細な日常の機微についての記述も、

全く同じことを考えている人が完全一致検索を用いれば、

唯一の理解者を発見できたような大きな共感をもたらす場合があります。

 

それって本当に求めていたインターネットの姿ではないでしょうか。

 

だからブログを書く人は、

「どうせこんなこと書いても誰もたどり着かないし、検索結果にも出ない」

などと悲観することがあるかもしれませんが、

見つけ出す方法はありますし、どんな小さなことでも書いて残しておいてくれていると、私は嬉しいなと思います。

 

 

 

では。